SHIROBAKO7話 「ネコでリテイク」 感想とかレビューとか(ネタバレ有り)
今週と来週は絵麻のメイン回(たぶん)
今週は絵麻のメイン回でしたね。先週の予告でメインキャラ5人の中の一人にスポットが当たる回の予感がしていたので楽しみにしていました。
感想としては、おそらく絵麻が困難に当たる回だろうな、と予想はしていたのですが想像以上にハードな回だったな、と。そこまでの回だったか?と思われた方が多いと思いますが、私自身が感情移入してしまったところもあるのでそのあたりをご了承下さい。
好きなことで生きていくことの大変さ
何よりも感じたのは好きなことで食べていくことの大変さです。
丁寧で綺麗に絵を描き、技術の向上を目指しながら進んでいる姿が描かれていましたが、これまでにも井口さんや姫の仕事の速さと正確さに憧れつつも自らの不甲斐なさに悩んでいる描写はありましたよね。
好きなことを仕事にして、その道の先の険しさや果てしなさを目の当たりにするというのは、得難い経験でしょうが同時に現実を思い知らされて辛いものがあると思います。
数話を使ってひっそりと埋め込まれた絵麻の葛藤。
「手の速さ(描く速さ)は若いうちでないと身に付かない。綺麗で繊細な絵を書いたり技術は速さを身に着けた後からだね。」という杉江さんの言葉により一層揺らぐことになります。
自分は丁寧で綺麗な絵を描きたいし、持ち味はそこだと感じている。だけど、大先輩であり最年長である杉江さんの言葉だからこそ響くものがあったのでしょう。
絵麻は現在任されている絵コンテをスピード重視で描き上げました。
しかしそれは、持ち味を殺した、クオリティの低い絵コンテを産みだしてしまい結局全ての描きなおしを言い渡されてしまいます。
真面目さは諸刃の剣
真面目である絵麻は杉江さんの言葉を120%受けて絵を描いてしまいました。自分の中で咀嚼し自分なりの形でアウトプットするのではなく、「早く描きあげる」という一点のみを鵜呑みしたような形になってしまいました。それほど悩んでいたのだろうなぁ...と思います。
7話中であおいの姉や武蔵野アニメーションの面々が「真面目過ぎるのはよくない」「真面目さには良いところも悪いところもある」といったことを言っていました。
まさに、絵麻に当てはまることでしたよね。(実際言われていましたが)
真面目過ぎるがゆえに失敗してしまい、瀬川さんからの注意も重くとらえ過ぎてネガティブに考えてしまい、将来のことまでも悲観的に捉えすぎてしまって、ついついあおいに当たるように愚痴や不安をぶちまけてしまいます。
私自身も真面目に物事をとらえ過ぎてしまって、自分の中の優先順位が付けられず全てが中途半端になってしまったり、深く考えすぎて行動にうつした結果とんでもない大失敗を犯してしまったこともあります。
自分たちの進む先への不安
アニメーターとして生きていけるのか。手が速く繊細で美しい絵を描いて本当のプロになれるのか。強い将来への不安が絵麻を悩ませます。
おそらくこれは誰しもがもっているものでしょう。悩みのテーマが同じでも、その程度には個人差がありますよね。自分の将来というものは、やはり真面目過ぎる人が抱えるには重すぎるテーマだと思います。好きなことをやっているが、本当にこれか大成し、夢を叶え、食べていけるのか...。永遠に抜け出せない悩みのスパイラルです。相当な葛藤があったのでしょう。思わず絵麻はあおいに当たってしまいます。
「これから先どうするの?」と絵麻に問いかけられたあおい。しかし、答えることは出来ませんでした。以前、しずかの回で飲み会のシーンでも同じようなことがありましたね。
これから先なりたい自分がいるけれど、現状から本当にたどり着けるのか不安な絵麻と、現状に精一杯なあまり先の自分が想像できないあおい。
この二人がどんな道を辿っていくのか、私たちもソワソワしながら見守っていく必要がありそうです。
最後に
来週のタイトル「責めてるわけじゃないんだよ」
これは誰から誰に(おそらく絵麻だとはおもいますが)向けられた言葉なのか。あおいから絵麻?井口さん?それとも...?
この言葉で少しでも絵麻の心の負担が軽くなればいいなぁと思います。
絵麻が自分の進む道をしっかりと見出し、あおいもこれから先の自分の姿を考え歩いて行けるような展開になっていけばいいなぁ...。