四月は君の嘘 単行本10巻までの感想と紹介(多大なネタバレ有り)
1巻表紙から伝わって来た雰囲気でジャケ買い。笑
今回は四月は君の嘘についての漫画評とか感想なんかを書いていこうと思います。
1巻から順に時系列順に書いていくので、徐々にネタバレしていく感じになりますからその点ご注意ください。1,2巻くらいならそんなに核心に迫るネタバレはないと思うので、未読の方もよければどうぞ!
四月は君の嘘、私はジャケ買いでした。表紙を見た瞬間に、これだっ!と思ったんですよね。伝わってくる雰囲気に惹かれました。淡い水色のカバーにピンクの題字、そして表紙の公生とかをりの表情。ちょっと切なげな恋愛要素のある青春ストーリーの予感がプンプン香ってきてました。
音楽が題材ということから、多分音楽がメインで、若者がひた向きに頑張るってのがテーマかな?と思ったんですが、なんというかそれだけじゃない、色々重厚なストーリーも絡んできそうな予感がしました。淡い色の表紙、これから受けた印象が「爽やさ」というよりも「儚さ」だったんです。自分の直感に従って購入を決意。結果としては...やはりある程度は当たっていましたね。
注意ですが、めちゃくちゃ長いです。笑
1巻は出会いと始まり。まさに、春!
序章の巻。椿と渡、頼りなげな公生を支える友達の紹介や、公生がピアノを弾かない漠然とした背景、そしてヒロインである宮園かをりとの出会いがメインですかね。
公生の寂しげな乾いた笑顔や、椿とかをりの猪突猛進な前への推進力、渡のさりげない優しさとチャラ男具合(笑)などキャラクターの魅力が詰まってます。
やはり、音楽に対する公生の陰とかをりの陽がキーではないでしょうか。これからに深くかかわってくる重要な比較ポイントだと思います。
かをりのヴァイオリンコンクールの伴奏として選ばれた公生。どんな結果になることやら...?
かをり本当に可愛い。椿も嫁可愛い。
2巻は音楽の楽しさ。公生の止まった時間がゆっくりと動き出す?
かをりのヴァイオリンコンクールから始まり、自分の音楽が客席へと届いたときの快感に魅せられていきます。コンクール専門と言えるほど楽譜に忠実に弾いてきた公生は、これまで感じたことのない高揚感や快感に心を奪われる姿に感動しました。
その刺激を教えてくれたのは、やはりかをりでしたね。途中で弾くのを止めてしまった公生と彼に弾かせるために自分も演奏を止めたかをり。これ、本当に勇気がいることなんです。(私もピアノやっていたので痛いほどわかります。笑)
そんな中再び演奏を開始し、会場を飲み込み、主役であるかをりを喰いかねない程の演奏をかました公生。読んでてめっちゃ興奮しました。演奏後、大歓声とスタンディングオベーションに湧く会場を目にし、あふれ出る高揚感と喜びで涙を流す二人の姿が印象的です。私も泣いたということですね。笑
ラスト、ピアノコンクールに出ることになった公生。遂にピアノの道に?
「私また倒れたんだ」このかをりの言葉が嫌な伏線で無いことを願いたい...
3巻、それぞれの物語。全力で生きてます。
この巻は公生を取り巻くキャラクター達にスポットが当てられている印象です。
椿はソフトボールの大会、渡はサッカーの大会でそれぞれこれまで自分たちが全力で頑張ってきたことへの集大成へと臨みます。一心不乱に取り組み、あれだけ全身で感情を表現できるのは青春ならではですねー。いいですねぇ...戻りたい。笑
新キャラで相座武士と井川絵見という二人のピアニストが現れました。この巻では先に武士のピアニストそしての力量が示されました。さぁ絵見の方はいかに?
私が一番胸を打たれたのは、公生への椿の気持ちですね。音楽を通して公生とかをりの距離が急接近している状況に悶々としています。自分の方がずっと一緒にいるのに、なんでも知っているのに。自分の知らない表情で演奏している。会って間もない二人がアイコンタクトだけで通じ合う。私だけを見てほしい、そんな顔で他の誰かを見ないで、という心の叫びはもう切なすぎて!
それは恋なんやでぇ!おじさん知ってる!!!笑
4巻はライバル達のお話。相座武士と井川絵見の実力は?
相座武士と井川絵見。二人の天才ピアニストは、ともに有馬公生から影響を受け生まれてしまった、といっても過言ではないんじゃないでしょうか。いつの日か追い越してやる、そう思ってがむしゃらに弾いてきたのに公生は突然姿を消す。でも戻ってくることを信じて弾き続けた二人の「執念」は最高の演奏という形で公生に示されましたね。いやーしびれました!!!音楽の中に感情を込めるってすげ...
後半は打って変わって暗い。公生の中にある「ピアノの闇」が焦点です。
辛かっただろうなぁ...普段は機械のような演奏が、母の為の気持ちが込もった演奏に。しかし、その演奏も届けたかったはずの母に否定されてしまう。こんなにつらいことはないでしょう。
演奏中、またも音が聴こえなくなってしまいました。コンクールはどうなるのか...
5巻。公生覚醒。
誰の為に弾きたい?何のため?
ああ そうだ 君の為に弾こう
完全にやられました。感動しすぎてめちゃくちゃ泣きました。
トラウマに囚われ、またも演奏を止めてしまった公生を救ったのは。やはりかをりの存在でした。何のために音楽をするのか?自分が弾く理由はなんだ。もう諦めたい。そんなときに思い浮かんだのは、かをりの姿でした。
ピアノを弾く理由。それは、
たった一人でいいや。君だけでいいや。
こんな一途な想いをピアノに込められちゃ、もう無理です。泣きます。
有馬公生覚醒(ピアニストとしても、青春を送る若者としても。笑)の巻と言ってもいいのではないでしょうか。
新たに瀬戸先生という公生のピアノを支えてくれる人が現れましたね。母代りに公生を支えてくれる存在というのは読者としても安心します。だって、公生君抜けてるところ多すぎなんですもん。笑
6巻 ダンナのアホー もっとかまえー
ダンナのアホー もっとかまえー 迎えにきやがれー 浮気するぞー
っていう感じの巻ですね。冗談です。笑
この歌本当に好きです。アニメで早くやらないかなぁ...
進路やガラコンなど、それぞれの進む先について悩む若者たちが眩しい巻です。大いに悩め若者達よ!いや、まだ私も20前半の青二才ですけどね。笑
ガラコンに挑むはずの公生とかをりでしたが、かをりが会場に現れません。結果、伴奏のはずの公生が一人で臨むことに。前代未聞シリーズ第何弾でしょうか?
ひたすらピアノに感情をぶつけます。
自分は凄い。もっと見ろ。でも、宮園かをりはもっと凄いんだ。聴け!
痛さすら覚えるほど激情に身を任せた演奏でした。
しかし、弾いている途中で母との思い出に浸り始めたときに、音が一変します。なんというか、母との思い出はトラウマでもありましたが、やはり公生の中では彼を形作る大切な記憶なんだなぁ...と思いましたね。
音がカラフルに変わる。それは、いったいどんな思いからなんでしょうか。
瀬戸先生が、最後に「私たちの息子が最後のお別れをしに行くから」と言いました。このガラコンで、公生が母と音楽に穏やかな気持ちで向き合えるようになるといいですね。
7巻。遂に...
トラウマとの決別。それは母から受けた「ピアノの技術」という愛情から抜け出して自分の力で前に進んでいくことを意味します。
さよなら。の言葉と、いつも母の幻影があった場所にもうその姿が見られないことが、とても心に響きました。本当の意味で、有馬公生というピアニストが誕生した、と言えるんじゃないでしょうか。
とにかく感動でした。前巻までは母との思い出はトラウマとなって表れていましたが、この巻からはだんだんと自分の中の大切な教えとして昇華していって。
公生が鳴らすピアノを聴く人全てが心を揺さぶられている描写もよかったです。
後半は椿が、自分の本当の想いに気付きます。ただの弟のような存在だった公生が、自分にとってかけがえのない大切な人だったと気付きました。一気に物語が加速してきましたね。
かをりの容体も気になるところです。
8巻で新たなライバル登場?兄弟子ならぬ妹弟子?笑
新キャラの相里凪が登場です!ライバル、かと思いきや妹弟子(そんな言い方はないと思いますが)となってしまいました。というか弟子です。公生が師匠として教えることになりましたからね!なにか裏がありそうな小悪魔気質な女の子です。
正体は、今や抜け殻のようになってしまった相座武士の妹でした。何のために公生の元へ来たのか。彼のためか、自分のためか?
彼女に教えていくことで、公生自身も成長していきましたね。人として大きくなっていってる気がします。
また、かをりの病気にもスポットが当たりました。容体はかなり悪化しているようで、自分の足で立てなくなってしまったシーンなどはかなり衝撃的でした。
あんなに元気だったかをりが、弱弱しく涙を流し打ちひしがれていく。辛い表情を見せる公生ですが、気になるところがありました。公生を評するとき、瀬戸先生やほかの人は「悲しみで成長するピアニストだ」と言いました。また、それがいばらの道であるとも。
確かに、徐々に弱くなっていくかをりに対し、そんな彼女を支えられるほどに強くなっているように見えました。そんな公生を見ていて、辛かったです。母の死を乗り越えた次には好きな人が苦しんでいる、その状況でピアノを弾き続ける。
生半可な覚悟や信念じゃ出来ませんよね。
9巻。演奏に乗せたそれぞれの想い。音楽の力ってすげぇ!
私は基本的に涙腺が緩いです。この作品でも何度も泣いてきました。笑
でも、一番泣かされたのは、この巻だと思います。
凪は、腑抜けた武士にもう一度ヒーローのように立ち上がってピアノを弾いてほしいという想いをこめて。
公生は、自分をピアノの世界に再び引きずり出したくせに、勝手に「いじけてしまった」かをりを音楽でぶん殴ってやりたい、励ましたい、という想いをこめて。
二人の想いを合わせて凪の中学の学祭で連弾をすることになりました。
前巻で公生は強くなったと感じていました。しかし、それは違いましたね。辛い現実から、かをりから目を背けていただけでした。母の姿と重なってしまうかをりと顔を合わせるのが辛い、そんな公生を支えたのは親友の渡でした。渡は本当に優しいですね、同じくらい厳しいですが。ちゃんと向かえ、と言える厳しさは凄い。
本番の連弾のシーンは涙なしでは読めないです。主旋律の凪を飲み込むほどの想いをこめて弾く公生と遅れまいと必死で食らいつく凪。
凪の音に乗せられた想いは、武士へのエールだけでなく公生への感謝や一緒に過ごた思い出にも彩られていましたね。本当に魅せ方が上手いなぁ。
公生自身も、凪の自分の姿を重ねていたんでしょう。彼女を支えながらも前へ進めと叱咤する姿は、今度こそ「成長した姿」だと思います。
終わった後の凪の涙は以前の公生を彷彿とさせました。似ているんでしょうねぇ。
凪の想いはちゃんと武士に届きました。そして公生の想いもかをりに届きました。
二人がどんな形で前へ進んで行くのか、わくわくしました。
10巻...11巻が読みたくない。続きを知りたくない。
相座武士復活です。というよりも進化して戻ってきましたね。サイヤ人かな?笑
おかえり私のヒーロー。ともらす凪、本当に頑張ってよかったですね。血統を継ぐピアニストで、っていう煽り文句もまたかっこいいです。
正確無比、完璧な演奏をする公生に憧れ、その姿にヒーローを見ました。しかし、帰ってきたヒーローは人間になってしまっていた。間違え、途中で弾くのを止め、音に全力で感情を込める。変わってしまったヒーローの姿に自分の道を見失いかけた武士でしたが、凪と今の「人間」有馬公生の演奏により、自分の道を見出して相座武士というピアニストとして生まれ変わりました。めっちゃかっこよかったですね...震えましたよ。
そして後半は!ついに!!椿が!!!公生に!!!!告白を!!!!!
やばいっすねあのシーンは。私だったらその場で即オーケーなんだぜ。笑
公生も椿を意識し出すのですが、同時にかをりへの想いも自覚してしまいます。なんというか、あれですね。甘酸っぱい青春ですねぇ...戻りたい。(二回目)
そんなほのぼのした流れが来ていたのに。
かをりが病に倒れます。
強張った体から、フッと力が抜けるあの描写。死を連想させられ、ウソだろ?と全力で否定したい気持ちでした。
そのすぐ後に車にひかれた黒猫の描写。しかもその猫は公生の必死の助けもむなしく死んでしまいます。公園で泣き崩れる公生。泣きたいのはこっちもですよ...
かおりはどうなってしまったんでしょうか...次の巻がものすごく気になりますが、読みたくありません。お願いだから生きていてほしい。
次巻、11巻で完結するようですね。
まとめ
本当に申し訳ありません。5000字を超えてしまいました。笑
ここまでつきあって下さった方、本当にありがとうございます。
特にいうことは無いです、語り尽くしました。笑
私は本当に四月は君の嘘が好きだ、ということです。