新米ゲームPの白箱

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ゲーム会社のインターンを経て私が思ったこと。(ゲーム企画ワーク編)[前編]

 「面白くて売れる」ゲームを創るということの大変さ

 

 先日、とあるゲーム会社のインターンに参加してきました。

 どことは言えませんが、某超有名RPG作品を創り続けている企業です。

 

 そのインターンで学んだこと、思ったことなどなどをアウトプットして改めて自分の力にするためにもここに書き記して行こうと思います。

 

 ゲーム好きのみなさんも楽しめる内容だと思います。

 何記事かに分けて投稿する予定なのですが、

①ゲーム企画ワーク編

②エグゼクティブのお話を受けて学んだゲーム業界のこと(ゲーム業界編)

③エグゼクティブのお話を受けて学んだゲーム業界のこと(ソシャゲ編)

④実践ワークとお話からの学びで私が思ったこと

 といった感じの構成で、4,5記事になるかな、と。

 興味のある方はお付き合い下さい。

 

 

 それでは、今回の内容はこちら

インターン初日 -夢にまでみた憧れの会社へ-

インターン二日目 -グループ決定。いざゲーム創り!-

インターン三日目 -最初の壁。好きなだけでは...-

 

 

 インターン初日 -夢にまでみた憧れの会社へ-

 初日。とにかく興奮が抑えきれませんでした。

 小さいころからずっとプレイしていたこの会社のRPG。小、中学生のころは「俺、ここでゲームを創る!」なんて言っていたものです。

 

 その会社で、インターンという形ではあるけれども、実際に働ける。心の底から感動していました。

 

 だってそうでしょう?集合部屋に行くまでの間、様々なグッズやポスターが貼ってあり、部屋の着いたら懐かしのゲーム達のムービーが流されているんですから。

 座って、ムービーを見続けていると、本当に泣きそうになってしまいました。これから、私はここでゲームを創る。そう考えるだけでもう...。笑

 

 

 初日は自己紹介プレゼンとエグゼクティブお二方からのお話。

 内容に関しては企業秘密や重要な業界分析を除きまして、次の記事に書かせていただきます。

 

 初日はとにかく、感動の一日でした。

 家に帰ってからは、翌日から始まるワークにビビりまくってましたね。笑

 

 

 インターン二日目 -グループ決定。いざゲーム創り-

 さて、二日目はグループが決定していよいよゲーム創りが始まりました。

 

 

 私は、凄まじく濃い面々が集うチームになりました。もう、それぞれのキャラの濃さが凄かったですね。これは面白いチームになったなぁ、と思いました。

 インターン参加者は、真面目な方々が多くて結構ビックリしていたんですよね。確かに、このインターンはゲームクリエイトというよりもマーケティング方面に強めのものでしたが、それにしてもクリエイター気質な風変りな人が少なかったように思います。

 そのせいか、圧倒的な存在感を放つ私たちのチーム。完全に浮いていたように思います。それがまた、よかったのですけれど。笑

 

 

 後に聞いた話だと、私たちのチームは宇宙人の集まりのようだ、と言われていたらしいです。それほど、みんな個性が凄かったんでしょうね。笑

 

 ゲーム案についてのアイデアを出し合い、全員でブレストを重ねてゲーム企画をある程度完成させました。私たちは、現在主流になりつつある「スマホゲーム」を作成することにしました。現状の「ガチャ」依存をぶち壊すためにも。笑

 

 

 このとき、強調したいのは「クリエイターとしての側面」でゲームを練っていったこと。開発者として、面白いだろうと思う要素や、新規性を盛り込んで、とにかく面白いゲームを創っていきました。

 

 「ゲーマー」が開発者となったときに、「面白い」と思った要素を多分に含んでいる「スマホゲーム」だった、ということを覚えておいてください。

 

 

 「面白い」ゲーム案が完成したあと、SWOT分析やマトリクス分析を行い、マーケティング面での強化を図りました。既存の課金システムとは違い、「ガチャ」で搾取をすることなく、「プレイヤーの楽しみを増長させる」といった点に力を注ぎました。

 

 

 ゲーム内容、気になりますよね?

 さすがにインターンの内容をあまり言ってはいけないので、このくらいで勘弁して下さい。エグゼクティブのお話も私なりに噛み砕いてお話させていただきます。

 ただ一つ、コンセプトだけは。

 

 それは「現実とゲームの世界を近づける」というもの。

 食べ歩きや旅行など、日常生活の趣味・楽しみに+1を与える、といった強みを持ったゲームです。

 

 

 とにかく、二日目はここで終了。翌日の中間プレゼンの為に、全員で煮詰めていくことにしました。

 

 インターン三日目 -最初の壁。好きなだけでは...-

 インターン折り返しの三日目。この日は作成したゲーム案の中間発表でした。一日しか期間が無い中、どのチームも全力を尽くして頑張っていました。

 

 各チーム、中々ユニークな案を考えてきていましたが、ぶっちゃけた話、私たちのチームが頭一つ飛び抜けているな、といった感想をもっていましたね。割と天狗になった状態でプレゼンをしたのですが...

 

 

 現実を突き付けられました。

・内容は確かに面白い。

・しかし、面白いことを盛り込み過ぎてコンセプトがなんなのかわからない。

・ユーザー目線にもっと立って考える必要がある。

・マーケティング面の分析が弱い。

 などなど。特に、ユーザー目線、という部分は響きました。

 

 なぜなら、スマホゲーム市場において課金ユーザーの割合は半数程ですが、約9割程がライトユーザーと呼ばれる、普段あまりゲームをしない層。

 

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 引用[1]:スマホゲーム課金者の割合

 

 

 私たちが考えた「ゲーマーが面白いと思う要素が入ったゲーム」は、ライトユーザー層には難しくて続けられないだろう、ということです。

 

 データとして、ライトユーザー層がスマホゲームをする主な理由に「暇つぶし」が挙げられます。暇つぶしにするゲームが難しかったら、そりゃみなさんやりませんよね。

 

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 引用[2]:スマホゲームをする理由

 

 

 それなら、ゲーマーに向ければいいのでは?

 もしそうするなら、とことん重課金者、ゲーマーがやりこめるゲームでなければいけません。どちらの層にもいい格好をしようとする半端なゲームが一番売れないのです。

 

 

 しかし、ライトゲーマーがいるからこそ重課金者、ゲーマーが光るんです。

 重課金者の特性として、「自己顕示欲」や「承認欲」を満たすことがスマホゲームをする際の楽しみの一つである、ということが挙げられます。

 

 フレンドに力を借す際、「どうだ?俺強いだろ?」といった気持ちを抱いたことがある人も多いと思います。

 これです。この感情を巧みに利用する要素があることで、重課金者にプレイしてもらい、課金させ収益を得ているのです。

 

 たとえば、ランキングシステム。スクフェスなど上位陣が凄まじい課金をしているゲームは「キャラへの愛」や「上位に立つ自分」を認めて欲しい「承認欲」を上手く利用しているのです。

 また、先ほど述べたフレンドシステム。パズドラや白猫など、フレンドの力を使ったり、または対戦があるゲームでは。「どうだ。俺の力は頼りになるだろう。」「俺強いだろ。倒してみろよ?」といった「自己顕示欲」を利用しています。

 

 

 これら重課金者の感情を引き出してくれるのが、ライトユーザー。彼らは自分たちなりにライトユーザーとしての楽しみ方を確立させています。そんな彼らを強者たる重課金者が見下す。

 どちらも、双方の楽しみ方は満たしているので問題はないわけです。

 

 収益を上げるには、重課金者と呼ばれる2,3%の層を大事にする必要がある。

 しかし、彼らを光らせるには、言い方は悪いですが「餌」となるライトユーザーが必要。

 

 

 このジレンマに頭を悩ませた私たちは、閃きました。

 

 

 ライトユーザーと重課金者それぞれのニーズに合った楽しみを提供できる、二つのモードを持ったゲームを創ればいいんだ!

 

 ライトユーザーには「手軽さ」を。

 重課金者、ゲーマーには「やりこみ」を。

 

 そして、あくまでメインターゲットは収益になる「重課金者」。

 彼らを中心に据えた上での、ライトユーザーも楽しめるゲームシステム。

 

 「クリエイター目線」を少なくして、マーケティング要素を盛り込んでいく。

 いわゆる、ゴール地点(今回で言えば、ターゲットとなるペルソナですね)からロジックを組んでロジカルにゲームを創っていこう。

 

 このインターンは「面白いゲームを売る」インターン。ならば、ロジックを組んで売れる仕組みを作り出し、さらに「ユーザーのニーズ」を満たせればいいはずだ。

 

 

 こう考えました。

 

 路線を変更して、新しいゲーム案の作成に挑戦し始めた私達。

 

 

 しかし、この路線変更が「良い方向にも悪い方向にも」働いてしまったのです。

 

 

 

 続きは、明日。

 その前に、片方のエグゼクティブの方のお話を読んでからの方が分かりやすいとおもいますので、まずは「エグゼクティブの方のお話をうけて学んだこと」を先に書かせて頂こうと思います。

 

 

 長文を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

 

 

 引用

 [1]http://cyber-z.co.jp/news/pressreleases/2013/0225_434.html

  

 [2]http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=6875