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新米ゲームPの白箱

新米のゲームPがアニメ・ゲーム・漫画・小説などを語ったり勉強するブログです。

ゲーム会社のインターンを経て僕が思ったこと。(スマホゲーム・ゲーム業界編その2)

 エグゼクティブのお話を受けて学んだ事

 今回は前回の続きになります。

 

ゲーム会社のインターンを経て僕が思ったこと。(ゲーム業界編その1) - ラブライバーの世界線

 

 前回のおさらいをしますと、

・ゲーム汎用機としての高性能化。つまり、他の機器では実現不可能な「ゲーム機でしか提供できないゲーム体験を提供」することがゲーム機の強みであった。

 

・ゲーム業界におけるイノベーションは、他業界のような「淘汰」ではなく、既存から新規までの棲み分けを可能にした。

 

・ゲーム専用機から多機能を持つゲーム専用機に。しかし、あまりにも多機能性を詰め込んでいった結果、PS4のような「ゲームハードにも満たない機器」を生み出してしまった。

 

・中古ゲーム市場は衰退。さらに「クラウド」の台頭によって、ゲームハードという存在すらも廃れてしまう可能性がある。

 

 

 といったことを述べさせていただきました。

 

 今回は、現在のゲーム業界におけるコンシューマーに対する話と、前回の内容を受けた上でのこれからのゲーム業界の話について書かせていただきます。

 

 というわけで、内容はこちら

・現在のゲーム業界 -スマホゲームという市場-

・現在のゲーム業界 -課金システムを取り巻く風評被害-

・これからのゲーム業界 -PS4から見えるクラウド時代移行の流れ-

・まとめ -僕が思うゲームのこと-

 

 

 現在のゲーム業界 -スマホゲームという市場-

 現在のゲーム業界のメインストリーム。

 それはやはり、「スマホゲーム市場」である、と言わざるを得ないと思います。

 

 

 これまでの、「ゲーマー」層だけでなく、「ライトユーザー」層も取り入れる事が出来る受け皿の広さ、課金システムによる収益性の高さ、そしてこの市場を拡大させた一番の理由であるスマホの普及による「手軽さ」の増進。

 

 プラットフォームであるスマホイノベーション、課金システムという新たな収益モデルのイノベーション、そして新規ユーザー層と取り入れ。

 多くの新規性とが絡み合った結果、ゲーム業界に多大な影響力を及ぼす市場が出来上がりました。既存のソフト制作会社までもがスマホゲーム市場に参入する程に。

 

 

 この業界を支える要素こそが、私達がゲーム案制作ワークで煮詰まった

・ライトユーザー層

・ヘビーユーザー層

・課金システム

 

 なのです。

 

 ライトユーザー層とは、無課金、又は微課金をするユーザー層のことで、市場の9割ほどを占めています。彼らの特徴として、スマホゲームを「暇つぶし」にプレイするということ、さらに、一つのスマホゲームへの継続性があまり高くないこと、などが挙げられます。

 

 スマホ市場としては、彼らに課金をさせる事よりも、継続させる事に力を注ぐ事が大事なのです。

 

 

 なぜかと言えば、スマホゲーム市場の中で高い収益性を上げるのは「重課金者」であり、彼らに気持ちよくゲームをしてもらうためには多くのライトユーザー層が必要になるからです。

 

 

 ヘビーユーザー、重課金者とは全体の数%としかいないコアな層で、その課金額は1万~100万程。各々数字にばらつきはありますが非常に高額な課金を行い、高い収益をもたらしてくれる人々です。

 

 彼らがプレイする理由は様々ですが、特に多いのは「承認欲」や「自己顕示欲」を満たしたい、という感情的な側面です。その中に、「好きなゲームへの愛」や「キャラ愛」などが含まれます。

 

 

 これらの感情を満たす為に必要なのが、多くのライトユーザー層、悪い言い方をすると重課金者達を輝かせる為の「餌」、「脇役」です。

 

 そして最後に課金システム。

 このシステムは本来、「画期的」なシステムである筈でした。しかし、コンプガチャによる、言わば「風評被害」のせいで風当たりが強くなってしまったのです。

 

 

 現在のゲーム業界 -課金システムを取り巻く風評被害- 

 なぜ課金システムが画期的であるのか。

 

 それは「一物多価」という考え方にあります。

 従来のゲームソフトの売られ方を「一物一価」といい、この課金システムを「一物多価」と呼ぶのですが、このサイクルの変化がコンシューマーにはとても良い影響を与えるはずでした。

 

 

 まずは従来のゲームソフト売られ方、一物一価について。

 一物一価とは、読んで字のごとく、「一つの物には一つの価値の付け方しかない」というもので、例えばPS2の定価6800円のソフトなら、誰が買っても6800円を支払う事になるといった感じです。

 

 具体的に説明します。

 A,B,Cという三人の人がいるとしますね。

 AさんはPS2(6800円)のソフトを買いましたが、プレイしたところ全く満足できませんでした。「払えても500円くらいだったな...」と思いましたが、定価は6800円。それ以上でも以下でもない為、彼の感覚的には「損をした」わけです。

 次にBさん。彼はこのソフトに定価分の満足を示しました。つまり、彼は6800円が妥当だと判断した訳です。実際の定価と比べても、「満足」を示せた、と考えていいでしょう。

 最後にCさん。彼はこのゲームを、今世紀最大の傑作だ!5万払っても惜しくない!とまで思いました。定価は6800円。彼の感覚的には「儲けたwww」という感情が生じているでしょう。

 

 彼ら三人とも、ゲームに対する価値の「感覚」は違いましたが、既にそのゲームには「6800」という価値が与えられている訳です。一つの「ゲームソフト」に対して、一つの「6800円」という価値が与えられている。そのため、本来の価値と彼らの感覚的な価値との間にズレが生じています。

 これが、従来のゲームソフトの販売方式(通称売り切り)における「一物一価」がもたらすボトルネックになっていました。

 

 

 しかし、このボトルネックを壊してくれる存在が現れた。

 

 それがF2P(Free-to-Playゲーム、プレイは無料で楽しめて課金などの追加でお金を支払うシステム)、課金システムのもたらした新しい考え方「一物多価」です。

 

 

 こちらは、「一つものに複数の価値をつけられる」というもので、一物一価とは対になるような考え方であると思ってもらってかまいません。

 

 

 どういった考え方なのか、またA,B,Cさん登場していただきましょう。

 AさんはF2Pスマホゲームをプレイしています。無料で始められる手軽さを気に入っており微課金くらいはいいかな、と考えています。ちょっと欲しいものが出て来た為500円の課金をし、Aさんは満足できました。

 つまり、AさんはこのF2Pを500円の価値だ思い、その体感分の金額だけ支払いました。Aさんにとっては500円、そして実際に支払われた金額も500円であるため、このF2Pの価値は500円となります。

 

 次にBさん。Bさんはとても楽しんでプレイしており、毎月2000円の課金をしながら楽しんでいます。BさんはこのF2Pに毎月2000円課金する価値があると考えていて、彼の満足分支払われた2000円から、このゲームに与えられた価値は2000円になりました。

 

 最後に、Cさん。Cさんはこのゲームこそが西暦始まって以来の至高のゲームだと考えました。彼は月に10万円もの課金をしています。すごいですねぇ...笑

 彼は10万も課金するほどの満足を得ており、このF2Pに与えられた価値は10万円。

 

 このように、ゲームに関しては三者三様の感じ方がありますが、その各々に対応した価値を与えられるというのが「一物多価」、課金システムの特徴です。

 一物一価では実現できなかった、全ての人の価値に対応した価値分の金額を支払える、ということだ可能になりました。

 

 しかし、問題点として上限金額のバーストが起こってしまっていますね。100万なんて金額を課金してしまう人達も現れてしまっでいるのが現状です。ゲーム業界からしたら嬉しいことですが、もっとユーザーを、コンシューマーのことを考えたシステムに改良していく必要が有ると思います。

 

 

 これからのゲーム業界 -PS4から見えるクラウド時代移行の流れ-

 前回、PS4とクラウドゲームについて軽く言及させていただきました。

 ここからは、これからのゲームのあり方について語らせていただこうと思います。

 

 

 まず一つ言えること。それは、ゲームハード業界は何かしらの対策を講じなければ、ハードの未来が無くなってしまうかもしれない、ということです。

 

 

 PS4の登場により決定的になったのではないでしょうか。

 

 なぜなのか?それは、前回で述べたと思うのですが、PS4がゲームハード業界初の「ゲーム専用機にも関わらずゲームをするのに最も適しているわけではないハード」であるからです。説明が長くてすいません。笑

 

 ゲームをやるにはゲームハード。

 ゲームハードはゲームをする事に最も特化した機器であること。

 ゲームが「複雑なアプリケーションで実現できるエンターテイメント」であるからこそ、ゲームハードは最もゲームをする事に特化した複雑な機器である必要がありました。

 

 しかし、PS4は他の機器(PCなど)よりも「ゲームやる」ことに関して優れていない。これは由々しき事態です。

 ゲームをやる際、ゲームハードである必要がなくなってしまったわけですから。

 

 PS4は多機能性は非常に高いのですが、そのためゲームには特化していない。

 これは、市場が多様化し大きくなってしまったせいで一つのところに特価させるだけでは生き残っていけない、ということが起こってしまったせいでもありますが。

 

 ゲーム機でしか提供できなかった体験を、ゲーム機が提供できなくなってしまった。他の機器でも提供できるようになってしまった。

 

 

 これが意味することは。

 

 ゲームをするためにゲームハードを買う必要がなくなります。

 つまり、新しいプラットフォームに時代が移っていくことになります。

 

 

 その新たな時代のプラットフォームこそがネット、「クラウド」なのです。

 

 端末、ハードとしての特性が壊れ、これまで「棲み分け」されてきたゲームハード界の生態系がぶち壊れます。(アーケードなど特殊なものは生き残る気がしますが)

 ビジネスモデルとしての階層が意味をなさなくなり、通信機器やエンコーダーさえあればゲームが出来るようになります。

 これによりゲームハード界はクラウドゲームの時代に移っていく可能性が高いでしょう。もちろん、サーバーや通信など超えるべきハードルは高いですけれどね。

 

 

 それでは、ゲームソフトはどうなるか?

 

 

 ゲームソフトはハードとは違い、商品化することに価値があります。

 コンテンツとは知的財産。コンテンツ・ビジネスのもつ特殊性、「形の無いモノを形にする」という価値が、ここに高い付加価値をもたらし意味を与えます。

 

 この形の無いコンテンツを形にする為に必要だったのがハードです。

 

 ハードが変化しても、コンテンツは形の無いモノなので対応できる。

 ハード、メディア(コンテンツを形にする機能)の変化(物理メディア→ネットワーク→クラウド)に合わせてプログラムをいじって対応させれば良いだけなのです。

 

 これは現在のライツ&コンテンツビジネス全体に言える事で、媒体よりもコンテンツである中身を重視するようになってきました。

 呼称も変わったんですよね。

 出版業界、なんて言われていましたが、今は小説業界、漫画業界という呼び方をされているんです。

 ゲーム業界もずっとゲーム機業界と呼ばれてきましたが、(ユーザーはゲーム業界と呼んでいましたが)、今はゲーム業界と呼ばれています。

 ゲーム機(ハード)業界から、ゲーム(コンテンツ)業界へ、コンテンツ重視の業界へとシフトしていったのです。

 

 

 これらの変化や特性を最も引き出せると考えられているのが、「クラウドゲーム」。

 特に、ハードを介さない、メディアという第三者業界を介さないことでコンテンツ開発者とユーザーが双方向で直接やり取りできる生態系を実現する事ができる、という点は素晴らしいと思います。

 

 

 ハードを介さない、コンテンツが重視される業界の変化から台頭した「クラウドゲーム」。

 これまで、エンターテイメントの価格は、コンテンツの中身やユーザーの満足ではなく、メディアの原価によって決められていました。(従来のハード依存の売り切り方式)

 また、メディアの販売パターンにより、マネタイズの種類もそれに依存し限定されていました。

 

 プラットフォームがネットになることで、これからは全く新しいマネタイズが可能になることでしょう。

 

 

 まとめ

 以上でエグゼクティブ編その1は終了です。またワーク編を挟んだあとお二方めの話を書いていこうと思います。こちらゲーム作りメインの話になりますかね。

 

 とても長く、ロジックもあやふやな文章ではあったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

 少しでもゲーム業界について何か感じる事が有れば嬉しいです。

 

 最後に今回の内容をまとめると

・ライトユーザー層とヘビーユーザー層の双方それぞれのニーズを満たすことでスマホゲーム市場は成り立っている。

 

・売り切りの一物一価から、課金による一物多価へ。ユーザーの満足度に合わせた価値の付け方が生まれ、F2Pが主流になりつつ有る。

 

・ゲームハードが衰退し、ネットを媒体としたクラウドゲームの時代へ。プラットフォームがネットになることで、新しいマネタイズが可能となる。

 

・ハードなどメディア媒体業界主流の時代から、ソフトなどコンテンツ業界主流の時代へ。

 

 

 次回は再びインターンのワーク編です。

 前回と今回のまとめを踏まえたうえで、私たちのチームが取った路線がどのようなコンセプトとターゲットを狙ったのかを考えてみてください。

 

 

 それではまた次回!

 もしかしたら更新は明日、2015年になってしまうかもしれませんので...

 皆様、今年は本当にありがとうございました!良いお年をお過ごしください!