アイドルマスター シンデレラガールズ1話「Who is in the pumpkin carriage?」感想とか考察 その2
繊細かつ深い構成にため息が漏れた1話
その2です。
デレマスの1話、これを入れると量が多くなりすぎるのでその2との二部構成にする予定でした。カットの描写や構成の多くの伏線や凝った演出が見える素晴らしいものだったので、きちんと書き切りたかったんですよね。
ちなみに、その1はこちら。
アイドルマスター シンデレラガールズ1話「Who is in the pumpkin carriage?」感想とか考察とか - ラブライバーの世界線
それでは、詳しく内容を解説していこうと思います。
・既に出会っていた3人と竹内P
・消えた蛍光灯、閉まったカーテン、光の当たらない卯月
・止まった時計と竹内Pと卯月
・一歩踏み出せない赤信号
・握りしめる手のひら、離れていくいつもの日常
・凜の「アネモネ」
・日陰の竹内Pと日向の卯月
既に出会っていた3人と竹内P
OPに入る前のシルエットの3人がぶつかり、ガラスの靴が落ちてしまうこのシーン。
花を運んでいるのが凜、STAFFが卯月、そして階段を駆け上がるのが未央なんです。つまりは、この3人は本当はもうすでに出会っていたんですよね。
そんな3人のシンデレラの元から零れ落ちた「ガラスの靴」。
本家シンデレラでガラスの靴を拾い、シンデレラを見つけ出したのは王子様でした。
このシーンでガラスの靴を拾い上げたのは竹内Pです。そして時計は12時を指しOPが始まります。12時を超えたシンデレラの魔法は解け、普通の生活に戻りますよね。そのあと、王子様がガラスの靴を持ってシンデレラを見つけ出します。
竹内Pは3人のシンデレラ候補を見つけましたが、12時になると同時に彼女たちを見失ってしまいます。このOP前の12時を迎えるまでのシーンでは、1話から2話にかけて普通の生活、日常に戻っていった3人のシンデレラを竹内Pが見つけに行くことを暗示していたのではないでしょうか。
消えた蛍光灯、閉まったカーテン、光の当たらない卯月
最初に卯月がトレーナーさんとストレッチをしている、まだ竹内Pとは会っていないこのシーン。卯月の上の蛍光灯は消え、カーテンが閉まっており、彼女に光が当たっていません。まだ、輝けていない卯月というメタファーだと思います。
そして竹内Pとのやりとりを重ねていくと、卯月の場所の蛍光灯に明かりがともります。カーテンは閉まっていますが、蛍光灯が輝くことから竹内Pとの出会いで卯月の日常が、卯月自身が輝き始めた、ということを表しているのではないでしょうか。
止まった時計と、竹内Pと、卯月
卯月と竹内Pが出会う前、この時計は調整中で止まったままでした。しかし、二人が出会ったあと、調整中の張り紙は剥がれ時計は動き出しました。
卯月の止まっていた時間が、竹内Pとの出会いで動き出したことを表すだけでなく、竹内Pの時間もまた、卯月との出会いによって動き出したのだということが表されていたのでしょう。
そういえば、竹内Pって腕時計してましたっけ?
アネモネの花言葉の「1秒」
卯月が凜の花屋さんへ花を買いに来たシーン。
凜が卯月へアネモネを勧めた際、花言葉を教えようとしたときに「1秒」ほどのわずかな間がありました。これは、凜が「期待、希望」を現時点であまり持てていないことをほのめかしているような気がしました。
単に、たくさんの花の中から特定の花言葉を思い出すことが大変だからかもしれませんが、それでもアネモネに込められた花言葉と、凜の現状を考えると...私にはこう思えてなりません。
一歩踏み出せない赤信号
竹内Pが凜へ名刺を渡そうとする際、横断歩道はほとんどが赤信号でした。この赤信号も凜の心境を表したもので、アイドルなど夢中になれるかもしれないことに一歩目を踏み出せない葛藤が表されているのだと思います。
部活生と思われる少女たちが歩いて行く前を、ただ一人つまらなさそうに歩いていた凜。部活で汗を流す姿をチラリとみるだけのつもりが、思わず見とれてしまっていました。
彼女自身も輝くあの場所に行きたいと思っていたのでしょう。しかし、踏み出すことは出来なかった。その一歩を後押ししてくれるのは...
凜が止まっていた足を動かすとき、そこには竹内Pがいたような気がします。
握りしめた手のひら、離れていくいつもの日常
卯月の笑顔を見て、凜が感化されたシーンのことです。
このとき、凜は掴んでいたリールを思わず離し、手のひらを決意を込めるように握りしめます。卯月の笑顔から、「期待、希望」を見い出したんですね。輝く太陽の下で、輝く桜の花吹雪を纏う、煌めいた卯月の笑顔から夢中になれる何かを見つけ出したのでしょう。
そして、リールが離れて愛犬の花子が凜の元から離れていきます。花子の散歩はおそらく凜の日常なのでしょう。多くの高校生が夢中になれるものに一生懸命になっているこの時間、夢中になれるものを見つけられなかった凜の日常は花子の散歩でした。
日常の象徴である花子が凜の元から離れ、竹内Pの元へ向かった。凜の日常が竹内Pの元でアイドルとして輝いて行くことに変わったことの象徴だと思いました。
凜の「アネモネ」
エンディング。凜の机の上に、一輪の「アネモネ」が飾られていました。
アネモネの花言葉は、「期待、希望」。凜が期待、希望を持てることを見つけ出し、その夢中になれることへ一歩を踏み出そうか揺れる心境を表していたのだと思います。
日陰の竹内Pと日向の卯月
エンディングでの凜の回想で、公園での出来事を思い返していたとき。
竹内Pは桜の木の陰で、卯月は太陽の下、日向に立っていました。日向で、太陽の下で桜の木のように輝く「アイドル」の卯月と、そのアイドルを日陰で支える「プロデューサー」としての竹内P、この二人の立ち位置が表現されていたように思います。
まとめ
以上で感想・考察を終わります。楽しんでいただけましたか?
本当に細部までこだわり、意味を持たせている作品だと思います。ただストーリーを追うだけでなく、カットの一つ一つや演出に注目して自分なりの解釈を持って観るとより楽しめると思いますよ!
それでは、2話の感想考察もよろしくお願い致します!