新米ゲームPの白箱

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SHIROBAKO16話「ちゃぶだい返し」感想とか考察

 エンゼル体操の威力が凄かった16話(笑)

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 SHIROBAKO15話の最後で、井口さんのキャラデにリテイクがかかり大規模なやり直しになってしまいました。

 

 

SHIROBAKO15話「こんな絵でいいんですか?」感想とか考察 - ラブライバーの世界線

 

 16話ではなんとか解決しましたね。井口さんのステップアップにもなりましたが、それ以上にむさアニのチームとして改めて考えさせられる出来事だったと思います。

 

 それでは、内容はこちら

・ざっくり感想・考察

・ちゃんとビジョンを持っている木下監督

・クリエイターのあり方

 

 ざっくり感想・解説

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 先週の続き。原作者の野亀さんからキャラデにリテイクが入りました。

 ...凄く抽象的ですね。何か何か、って言われても何か分からないですよね。笑

 

 

 ヘンな話の編集が原作者にきちんと連絡を取っていなかった模様。

 その結果が、「攻撃中止」であります。

 

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 手直しをして改めて原作者の判断を仰ぐことになりました。

 責任を感じている井口さんがいたたまれません。

 

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 制作陣も一モメ。

 平岡の態度が癪に障りますね。みゃーもりが初デスクだからって舐め腐ってる感じ。同じ制作なら助け合うべきでは?タローが良心に見えてきます。

 

 新人たちも不安そう。

 

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 プルプルの再来ですかねー?なんて監督に言っちゃうりーちゃん。小悪魔ですね。

 りーちゃんなりに場を盛り上げようとしてくれたんでしょう。絵コンテ乗ってたのにストップを食らってしょげている監督を盛り立てます。

 

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 何度描きなおそうと、その度にダメ出しが入ります。

 元気で前向きな井口さんもさすがに参っている様子。自分のせいでスケジュールが押していることに責任を感じてしまっています。一人で奮闘する姿が辛いです...

 

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 だんだんとズレ、押してくるスケジュールにみゃーもりもこの表情。

 キャラデが上がるまではどうしようもないにしても、もどかしいのでしょうね。

 

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 煮詰まった井口さんはあの気分転換の場所へ。みゃーもりも向かい、自分の不甲斐なさをお詫びします。

 お互い初めての経験で、分からないことだらけなんです。こういうときに先輩や周りの人が支えて助けてあげるべきなんですよね。初めてでしかも責任がかかっている井口さんの気持ちを汲んで、笑顔にさせられるような励ましの言葉がスッと出てくるみゃーもりは凄いですね。

 

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 みゃーもりは井口さんを支えようとしています。なら、みゃーもりのことは誰が支えてくれるのでしょうか?

 

 

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 会社に戻るやいなや、出来ることはやっておかないと!と言いだし動かせるところのスケジュールを管理するみゃーもり。本当に有能です。二年目の初デスクが会社の屋台骨を担います。なんてこったい。

 

 

 この間、監督の各部門周りのところは後ほど。

 

 

 完全に煮詰まってしまった井口さん。

 何が正しいのかわからなくなってしまった様子。

 

 気分を切り替えに屋上に向かうと。

 

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 ...。

 

 エンゼル体操という謎の舞を舞う絵麻の姿が。可愛い。

 なんでも肩こりなどの解消に効き、終わった後は天使のようにふわふわするとか。

 

 

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 次は井口さんもご一緒に。笑

 

 「井口さんの絵、好きです。」

 絵麻の言葉に励まされる井口さん。不器用なりにも支えようとする絵麻がとてもいいですね。

 

 そして先輩であるゴスロリ様は、ナベPと監督に怒り心頭。

 選んだのであれば、きちんと責任を持って支えてあげて欲しい。井口さんは初めてのキャラデで分からないこと、不安だらけなのだから。

 流石の二人も反省です。

 

 

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 二人には二人の出来ることをしてもらい、女性陣は気分転換にいくことに。

 場所は...ゴスロリ様行きつけ、バッティングセンター!

 

 

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 わーお... 

 

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 ゴスロリ様も以前同じような経験をしていたのです。そのときに気付いたのは、言われるがままやっていてもダメだということ。クリエイターとしての意地、プライドを通さなければならない、ということ。

 そんな自分を守り、貫き通すための鎧として、ゴスロリファッションを身にまとったそうです。

 

 

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 そして、その話を受けた井口さんも鎧をまといます。よりアリア(三女の登場人物)達に歩み寄ろう、という考えの元です。

 

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 そして、なんとか無事にキャラデはOKが出されました。

 苦労して任務を遂行した井口さんに拍手を!!!

 

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 ちゃんとビジョンを持っている木下監督

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 1クール目でも抜けているように見えて、大事なところはきちんと押さえていた監督。今回では、「明確なビジョンを持っている」こと、そして「チームのモチベーションを高める」というリーダーらしいことをやってくれました。

 

 CG班など、各部門の疑問や提案に対し、自分のビジョンを明確に示しながら答えを提示したり、議論を交わしたりしていました。

 

 飛行機の動きをリアルにしすぎるとモサっとしてしまうため、生き生きと大胆に動かしてかっこよく嘘をついてほしい。パイロットのキャラのイメージを飛行機の動きに反映させたりしてほしい。

 ただリアルなだけでなく、アニメとしてフィクションとしての良さを上乗せしていくためです。

 

 

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 美術の雲についても、本当はその高度に描かれている雲は現れませんが、嘘の高度を与えて、雲と飛行機で最高の絵を創りたい。

 

 すべては三女をどういった作品に仕上げたいか、明確なビジョンを持っているため出せる指示だと思います。その思い描くゴール地点に合うように多少かっこよく嘘をつく。これが監督の哲学であり、作品に込めた思いを乗せきるために必要なのでしょう。

 ビシッとメンバーに伝える様は、からあげおじさんではなく監督でした。笑

 

 

 また、「飛行機が主役だから」「美術が主役だから」と各部門にお前たちが主役なんだ、と言っていました。以前、みゃーもりが菅野さんに言われた「その人にしかできない仕事」ということと同義でしょう。そこに作品の主役はチーム全員なんだ、と考える監督の気持ちが合わさって出てきた言葉なんだと思います。

 

 アニメって本当にたくさんの人たちの頑張りの上に出来上がっているんですね。

 ただただ感謝ですよ。

 

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 クリエイターのあり方

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 「批評、ダメ出し、注文。そのすべてにハイハイと頷いていてもダメなんだ」

 

 ゴスロリ様のこの言葉はとても重かったですね。

 原作者であったり、スポンサーであったり。注文をしてくる立場が上の人たちは、とにかく自分の良さを前面に出したいだとか、自分たちの儲けが出るためにあれこれ口を挟んできます。その全てにイエスを返していては、クリエイターがつぶされてしまうんですね。

 

 

 以前、とあるラジオで声優の小野坂昌也さんが言っていたことと重なりました。

 

 「音響監督の言ってること全部にはしたがわねぇよ!あいつらの好きなようにさせちまったら作品がダメになっちまうだろ!」

 

 かっこいいなぁ、と思いました。作品を理解しているのはディレクターや監督なのかもしれませんが、自分の演じるキャラのことを一番理解しているのは専門の俺たち声優なんだ!と言っていたんだと思います。

 そんなプライドを持った人たちが集まって創り上げたものだから感動するんだろうなぁ。

 

 

 今回のキャラデ、確かに産みだした原作者が一番わかっていたのでしょう。ですが、井口さんは井口さんなりにアリアを解釈し、アニメに合うようなアリアを創り上げていたんだと思うんです。そのアリアのことを一番理解しているのは誰でもない井口さんだったたんだろうなぁ、と。だからこそリテイクが出続けたとき、誰が求めている、誰にとってのアリアを描けばいいのか分からなくなってしまったのではないでしょうか。

 

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 ゴスロリ様のときはPと監督がダメ出しをしていました。彼らがどれだけダメ出しをしようと、きっとゴスロリ様の中には、彼女なりの理解で生まれたキャラデがあったんだと思います。上の注文全てに従い、好きなようにさせてしまったらいけないんですね。

 

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 作品はクリエイター達の情熱やプライドが込められているからこそ面白くて感動するんだと思います。魂を込めるにはこだわりを込める必要があって、それは各制作人が込めるものです。あまりにも多すぎる口出しは、そのこだわりを入れる余地を失くしてしまいますよね。

 こだわりやプライドを持った人たちが創り上げた作品だからこそ面白いんです、込めるためにも強い意志と信念を持って上の注文をはねのけることも大事なんだなぁ、と思いました。

 

 

 それでは、最後に井口さんのアリアをみながらおいとまさせていただきます。

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