シンデレラガールズ6話感想・考察「夢から覚めた未央とトラウマを抱えた武内P」
大成功の3話を伏線に使った6話
今回は書くことが多いので、いつものざっくり感想はお休みです。
武内Pのみにスポットを当てた記事も書きました。よろしければどうぞ。
デレマス6話から見えた武内Pと赤羽根P、正反対の二人が犯した同じ過ち - ラブライバーの世界線
内容はこちら
・12時を指した346プロの時計
・大成功の3話を伏線として一気に落としてきた6話
・アイドルが手にする最高の報酬
・光と闇、対照的な二組
・武内Pという男
12時を指した346プロの時計
途中で気になったことがあります。346プロのエントランスが映された際、時計の針が12時を刺していたんですよね。まるで、シンデレラの魔法は解け、これからまた現実の世界に戻ってしまうことを暗示していたかのようでした。
前回までの話、とりわけ3話での美嘉のステージ。本当に魔法がかかっていたかのような素晴らしいステージでしたもんね。あの夢から覚めて現実に戻ってしまったのなら、それは仕方のないことだったと思います。実際のところ、未央達自身の力でたどり着いた舞台ではなかったのですから、まさに「胡蝶の夢」だったのでしょう。
あとは、王子様こと武内Pからガラスの靴を履かせてもらい再び輝かしいステージへと舞い戻ることが出来ればいいのですが...。
問題はその王子にも色々闇がありそうなんですよね。
大成功の3話を伏線として一気に落としてきた6話
あの輝かしかった3話とは打って変わって、真逆の様相を見せた6話。衝撃的でした。ここで落としてくんのかよ...と。
たくさんのお客さんの前で心の底からアイドルを楽しんだ3話、あの綺麗なオレンジ色の光の海は幻だったのかと思うくらい、ショッピングモールの客席は薄暗かったですね。
3話のステージ前では、ガチガチに緊張し不安の色でいっぱいだった未央達でしたが、6話では自信を持ち、これから目にするであろう満員の観客席に心を躍らせていましたね。そのあとの展開は...真逆でしたね。
暗い客席、まばらな観客。終わった後の未央達の顔も以前の面影が全くないほど悲痛な表情。
客席の入り具合や反応は、アイドルにとっては報酬でもあります。人のいない観客席、それは彼女たちに現実を突きつけることになりました。
アイドルが手にする最高の報酬
今回未央達が味わった現実。これは現時点での未央達に与えられる「報酬」としては、武内Pの言う通り当然だと思います。客席の喝采、お客さんから受ける声援はアイドルにとって何物にも代えられない大切なご褒美だと思うんです。
美嘉のバックダンサーとして立ったあのステージは信じられないくらい大きく、まさにトップアイドル「城ケ崎美嘉」だけが味わえる舞台、手に出来る経験のはずでした。しかし、たまたま美嘉の目に留まった「偶然」により未央達は駆け出しアイドルであるにも関わらずこの最高級の報酬を受ける機会を得てしまいました。
一度最高級の報酬を得てしまったんですからね、現状を受け入れられないのも仕方がないとは思います。
あの報酬は、彼女たちをよりアイドル活動に向かわせることになりましたが、それと同時に現状を把握する目を曇らせてしまいました。ステージに立てば、あの光景が見られる。また最高の体験が出来る。そう考えてしまったんですね。
現実とのギャップはまだ高校生の少女たちが受け止めるにはあまりにも辛いものです。また、その現実を実感してしまった場所がいけなかった...デビューCD発売記念のユニットお披露目ライブ、こんな大切なステージで現実と直面することになってしまうとは。本当にこの三人の表情がもう...。
光と闇、対照的な二組
また、ラブライカとニュージェネレーションズとの対比も見事でしたね。
今回が初ライブで、緊張と不安でいっぱいだったアーニャと美波。ステージでちゃんとパフォーマンス出来るのか、お客さんは来てくれているのか。様々な不安があったと思います。
しかし、いざ舞台に立つとそんな心配はどこへやら。最高のパフォーマンスを見せてくれました。ステージ上での二人の真剣な姿、曲の雰囲気を全身から伝えてくるダンス、歌声、そしてなによりも表情の良さ。終わった後の二人の笑顔から、今の力を出し切りユニットととしていいスタートが切れたことが伝わってきます。
これは、3話で卯月達が見せてくれた姿でした。
しかし、その卯月達ニュージェネレーションズは終わった後の表情も真逆なら、始まる前の姿も真逆でしたね。
前回のステージで自信をつけたのか、衣装合わせやステージ前の雰囲気は和やかなものでした。これから味わう最高の時間に心を躍らせ、早くステージでお客さん達と盛り上がりたい!そんな気持ちでいっぱいでした。
結果としては、彼女たちの期待は裏切られたことになります。
予想だにしていなかった観客の少なさ、終始曇った表情のままのパフォーマンスでした。自分たちがショックだったのは分かりますが、アイドルとして褒められた行為ではありませんでしたね。
この表情なんてもうお通夜ですよ。
いつもみんなを癒してくれる笑顔の卯月がとても複雑な表情を浮かべています。練習生時代、あれほど憧れたステージに立ちCDデビューまで出来ているのにも関わらず、です。美嘉とのステージがどれほど卯月に影響を与えたかが分かりますね。
凜も平静を装ってはいましたが、ところどころ顔が曇っていました。メンバーの中でもあまり感情を表情に出さずに淡々とこなす方なのですが、ステージという大切な場所で思わず感情が出てしまうほど戸惑っていたんですね。
しかし、ショックで無言になった未央の代わりに最後の挨拶をしたり、これが現状なんだ、と無理やり自分を納得させたような表情で会場を見渡し裏に戻っていったところなど、凜のアイドル活動に対する決意の強さもうかがえました。
未央は...もう見ていられませんでした。
お客さんの少なさにひどくショックを受け、これは私がリーダーだったせいなのではないかと自分を責める。満員の観客の中で輝く自分を見せるつもりだったのに、友達の前でかっこわるいところを見せてしまった恥ずかしさなど、多くの感情がないまぜになって悲痛に顔をゆがめていました。
元気いっぱいのいつもの笑顔はそこにはなく、ゆがんで引き攣った笑みが張り付いているだけでした。
そして最後の武内Pとのやり取りでショックを受けた未央は、アイドルを辞める!と言いだします。自分を責めていた彼女には、口下手で言葉が足りない武内Pの一言はきつすぎました。
武内Pという男
武内Pは本当に不器用です。口数も少なく、感情表現も得意ではありません。言葉足らずであるせいで、5話ではみくに「デビューできないかもしれない」という不安を抱かせてしまうことになりました。
今回も彼のそんな不器用さが未央を傷つけてしまうことに。
しかし、心の底から担当アイドルのことを大切に思っているんです。途中で挟まれた営業シーン。真摯に頭を下げ頼み込み、彼女達の最初のステージを素晴らしいものにしたいと思い、お披露目ステージとしては破格である大型ショッピングモールのステージを抑えました。
夜遅くまで彼女達のために仕事をするのは大変ではあったと思いましたが、ニュージェネレーションズとラブライカ以上に、デビューを楽しみにしていたのではないかと思います。
実際、ステージでパシャパシャ写真を撮っていましたしね。
しかし、言葉が少ない彼はそんな思いを表現することも、また彼女たちに上手く言葉をかけてあげることも出来ませんでした。
少々自分本位で、また現実から目を背けようとする未央の叫びを聞き、武内Pはここで甘やかすのではなく、きちんと現実を認識させることが大切だと考えたのでしょう。意を決して今日の結果は当然だ、と言い放ちます。
正論をぶつけはしましたが、やはり言葉が足りませんでした。そのあとに続くフォローの言葉やねぎらいのことばも考えてはいたんでしょう。
しかし、今の未央には彼の真意までは届きませんでした。武内Pの言葉にショックを受けた未央は続く言葉を遮り、アイドルを辞める!!!と言いました。
彼女のその言葉を聞いて目を見開く武内P。きっと、以前の担当アイドルとも衝突してしまい、おそらくその子は辞めてしまったのでしょう。予期せずトラウマを掘り返してしまったようで、これまでに見たことが無いほどの驚愕の表情を浮かべていましたね。
途中の部長との会話で、武内Pの過去に何かがあったことはほのめかされていました。おそらく、これからの話の展開も彼のこの「トラウマ」の克服がカギを握ってくるんではないかなぁと思います。
卯月・凜・未央の三人だけでなく、武内Pにも影を落とすことになった6話。7話の次回タイトルと背景からもまだまだ鬱展開が続いてしまうような予感がします。
トラウマを克服し、未央を連れ戻してまた4人力を合わせて進んで行って欲しいのですが...。
次のステージでは、笑顔で歌って踊るニュージェネレーションズが観たいですね!