新米ゲームPの白箱

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ゲーム会社のインターンを経て僕が思ったこと。(ゲーム業界編その1)

 エグゼクティブのお話を受けて学んだこと(ゲーム業界編その1)

 今回は前回に引き続き、ゲーム会社でのインターンで学んだことをアウトプットしていこうとおもいます。

 第二回は、エグゼクティブのお話を受けて学んだこと(ゲーム業界編)と題しまして、これまでの業界から、今、そして未来について語らせていただこうと思います。

 

 まず、その1ではこれまでのゲームハード、そしてソフトの特色についてです。

 現在と未来などについては次回で書かせていただきます。

 

 一応断っておきますが、さすがにお話の全てをここで書いてしまうのは不味いので、私がインプットして自分なりに思ったことやまとめたこと、として出していきます。伝聞調のソースに当たるところは、お話の内容や探し出したソースであると考えていただいて構いません。

 

 それでは今回の内容です。

・これまでのゲーム達 -暇つぶしが創り上げたイノベーション-

・ゲーム機におけるイノベーション

・まとめ

 

 

 これまでのゲーム達 -暇つぶしが創り上げたイノベーション-

 コンピューターゲームというものを、一言で表すならば

 「最高の暇つぶし」

 ではないかと思います。

 

 無くても人生には困らない。けれど、あった方が楽しい。ゲームが好きな人たちからすると、最高の時間を過ごせる最高の暇つぶしになるわけです。

 

 前回で述べた、スマホゲームを利用する人たちのプレイ理由一位「暇つぶし」ということも、ゲームとしての本質は捉えられているわけですね。

 

 

 そんな暇つぶしが、なぜ比較的大きな市場(市場規模約10兆円超)を持ち、産業にそして世界的に影響を与え得るビジネスにまで発展したのか。それは、コンピューターゲームが、

 

 「複雑なアプリケーションで実現するエンターテイメント」

 「ゲームでしか出来ない体験を与えられる複雑な機器」 

 

 であるからです。

 

 この側面が産みだした二つのイノベーション。 

 

・ゲーム機におけるイノベーション

・コンテンツ(ソフト)におけるイノベーション

 

 上記二つのイノベーションが産業界に大きな変革をもたらしたわけです。

 

 コンテンツにおけるイノベーションに関しては、現在と未来に関することなので次の記事で述べさせていただきます。

 

 

 ゲーム機におけるイノベーション

 

 ゲーム機におけるイノベーションについては4つの特徴が挙げられます

1. ゲーム専用機内での汎用化

2. 各ハードにおける住み分けという概念

3. PS2の登場における、ゲーム以外の分野への汎用化

4. 中古ゲーム市場

 

 まず、1.ゲーム専用機内での汎用化について。

 

 これはどういうことか?

 分かりやすく言うと、一つのハードで(例.SFC)、複数のソフト(例.ロックマンX,ゴエモン,スト2)が遊べる、ということです。

 

 今となっては当然ですが、機械系、情報系の産業界において最初は一つのハードに対して、一つのソフト、といったような形でしか実現できないと考えられていたそうです。しかし、その概念をぶち壊したのが「ゲームハード」という存在。

 この「汎用機の高性能化」という概念が、ゲームハード業界だけでなく、後にコンピューター業界などにも大きな影響を及ぼしていくわけです。

 

 ゲームをするには、ゲームハード。

 プログラムをいじるには、コンピューター。

 

 といったように、何かをするには、その何かをするのに最も適したハードでなければ実現しない、といったシステムです。

 (この概念をぶち壊したのもまたゲームハード(PS2)になるわけです。)

 

 

 次に、2.各ハードにおける住み分け です。

 通常、イノベーションが起きれば、新しいものが来れば従来のものは絶滅するはずなんです。BDが出てきた今、VHSなんてもう絶滅してしまっているようなものですよね。

 

 しかし、ゲームは違う。

 

 アーケードから始まって、家庭用ゲーム機が出てきた。

 家庭用ゲーム機が小型化され、GBなどの小型ハードが生まれた。

 小型ハードから、多機能家庭用ゲーム機の時代に変わった。

 そして、再びPSPやDSのような小型ハードに変わり

 

 多くの国民が所有するスマホに、ゲームアプリが登場した。

 

 イノベーションは確かに起きたけれど、それはメインストリームが変わっていくだけで、従来の媒体もプレイされているんです。

 

 ゲーセンに行けばアーケードがあるし、PS3を持っていると同時にPS Vitaを持っている。PCゲームもプレイするし、電車の中ではスマホゲームをプレイする。その時々のニーズによって、遊び方を変えられる。

 

 各ハードが持つ特性に合わせてユーザー側が遊び分けることで、ゲーム業界としての「住み分け」が実現されているんです。

 

 これは他業界ではそう見られない類の無い強みではないかと思います。

 

 

 イノベーションにより、「絶滅」が起きるのではなく、「メインストリーム」が変化する。

 

 

 しかし、この強みが無くなってしまう、絶滅してしまう可能性が現れてきました。

 それはPS4の登場と「クラウド」という概念です。

 

 クラウドついては、次回で述べさせていただきます。

 

 

 そして、3.PS2の登場によるゲーム以外の分野での汎用化

 どういうことか?

 

 ゲームとしてのハードだけでなく、DVDプレイヤーとしての側面を持たせる。ということです。これが、「ゲーム機の汎用化」を産みだしました。

 現在ではその逆の、スマホにゲーム機としての側面を持たせる汎用化が成功していますね。

 

 

 この、「ゲーム機における他分野への汎用化」が与えたインパクトは凄かったですよね。まさかゲーム機でDVDが見られるなんて!と驚いていたら、数年後にはネットが出来るようになり、BDレコーダーとしての側面まで持つようになったのですから。

 

 

 「ゲーム専用機」から多機能化を果たし、様々な楽しみ方ができるようになりました。

 

 しかし、このゲーム側からの多機能化は、裏を返せばスマホゲーム市場などのゲーム機以外の機器を用いて「ゲームが与える体験を提供できる」という逆転事象をも引き起こしました。これに焦ったハード業界側が招いた悲劇。

 

 それがPS4なのです。

 

 なんとこのPS4。多機能性を詰め込みすぎた結果、ゲーム専用機としての要素でPCなどの他媒体に負けてしまうという前代未聞の現象を引き起こしてしまいました。

 

 つまり、ゲームハードであるにも関わらず、ゲームをプレイするのに向いていない機器になってしまう、という本末転倒な事態を引き起こしてしまったのです。

 

 

 この話も次回行います。PS4という機器がもはや「ゲームハード」という存在ではなくなってしまった、というだけお伝えしておきます。

 

 

 最後に、4.中古ゲーム市場。

 

 みなさん不思議に思いませんか?

 なぜ、パッケージ代やディスク代などの費用がかからない「ダウンロード出来るゲーム」が安くならないのか。定価とほぼ値段は変わりませんよね?

 

 もちろん、コンテンツとしての、創造物、著作物としての価格ではあります。

 

 しかし、それ以上に関係しているもの。

 それが「中古ゲーム市場」なのです。

 

 この中古ゲーム市場というもの、そもそもが「コンテンツ(ソフト)」のことを考えて生まれた物ではなく、「ハードであるゲーム機器」の売り上げを保つ為のシステムなんです。

 

 例えば、中古ゲームを売ると1500円くらいの値段になりますよね?そのゲームは、中古ゲーム屋さんで4000円ほどで売られるんですが、このときの流通マージンが20%~30%くらいらしいんです。儲かりますね。笑

 

 一方、ダウンロードの流通マージンは10%ほど。これで、ダウンロードの価格を安くしたらどうなるか。そりゃ、みなさん中古なんて買わずにダウンロードしますよね?でも、流通マージンを考えるとそれでは儲からない訳です。

 

 そうして安くゲームが手に入るとどうなるか。ここの因果関係はあまり詳しくはなされなかったのでソースがあやふやで申し訳ないのですが、なんでもゲームハードが売れなくなるらしいんですよね。

 流通マージンに関係があるのでしょうが、一因としてはダウンロードすることで中古屋に足が向かわなくなり、ゲームハードの中古品売買が無くなるからではないか、と思っています。

 中古ゲームハードも流通マージンは30%超えですからね。その分の売り上げが減るのはやはり痛いという事でしょう。

 

 

 ということはですよ。

 もしも、ダウンロードが主流になってしまったらどうするのでしょうか?

 中古ゲーム市場は?そりゃあ廃れてしまうでしょう。

 

 ゲームハードはどうなるのか?

 結果として、「ゲームでしか出来ない体験を提供」する為の媒体がゲームハードから他の存在に移ってしまう可能性がある訳です。

 

 その可能性を高める存在。それが、ダウンロードに特化した「クラウド」です。

 

 

 まとめ

 次回へ引きのばす話が多いですね。とてもロジックを組んでお話しされていたので、こういった表し方になってしまいました。

 本当は一気に書こうと思っていたのですが、1万字を超えそうなのでさすがに次回へと回させていただきます。

 

 まとめますと、

・ゲーム汎用機としての高性能化。つまり、他の機器では実現不可能な「ゲーム機でしか提供できないゲーム体験を提供」することがゲーム機の強みであった。

 

・ゲーム業界におけるイノベーションは、他業界のような「淘汰」ではなく、既存から新規までの棲み分けを可能とした。

 

・ゲーム専用機から多機能を持つゲーム専用機に。しかし、あまりにも多機能性を詰め込んでいった結果PS4のような「ゲームハードにも満たない機器」を生み出してしまった。

 

・中古ゲーム市場は衰退。さらに「クラウド」の台頭によって、ゲームハードという存在すらも廃れてしまう可能性がある。

 

 

 これらを踏まえて、次回は現在と未来について入っていこうと思います。

 ちなみに、現在は主に課金システムなどコンシューマーでのお金の動きについての内容。これは、スマホゲームの課金システム嫌いからすると目から鱗の内容だと思います。 

 未来は、クラウドゲームなどダウンロードゲームについての分析。ゲームハードとクラウドの未来について書き綴ります。

 

 

 まとまりがなかったかも知れませんが、少しでも何かが伝わったなら嬉しいです。

 それでは、長文を読んでいただいてありがとうございました。