SHIROBAKO10話 「あと一杯だけね」 感想とか考察とか。
目標を見つけることで築ける道のり
SHIROBAKOはとことん「目標」を見つけることの大切さを教えてくれるアニメですね。
SHIROBAKO10話やこれまでの話の展開から、作品としての着地点(1クール目の着地点?)は「みゃーもりが自分の目標を見つけること」になると思います。みーちゃんや監督など、他のキャラクター達が「目標を見つけていく過程」を描くことで、みゃーもりの目標設定がより活きてくるわけですね。
本当によくできている作品だなぁ。
さて、今回のSHIROBAKO10話、私が気になった&感じたトピックはこちら
・続けてみないと楽しさは分からない
・夢への最短距離を進みたいという葛藤
・夢へと向かうことを決めたみーちゃんと本田さん
続けてみないと楽しさは分からない
新しく音響効果の河野さんが出場。効果音(SE)を専門としている彼ですが、まさに職人!といった感じでしたね。音の一つ一つへのこだわりが凄かったですし、みゃーもりの怪獣の真似声を、より怪獣らしいものに加工するためかけ合わせる音を直感的に選択する様子など、30年の経験値が発揮されていました。
「続けないと仕事っておもしろくならないからさ。」
30年もプロフェッショナルとしてやってきた職人だからこそ言える言葉ですね。重みと説得力があります。
好きなことでも、やっぱり始めたばかりの頃って上手くいかなくて辛いですよね。気持ちに技術が追いついて来なくて、いつの間にか好きでやっているはずのことが嫌いになってしまうんです。
私も、持込み用の作品を初めて書いたときがそうでした。文章力、表現力、構成力などとにかく全てが、私が描きたい世界を具現化出来るほどのレベルに達していませんでした。何度も書き直して、練り直して。気付いたら書きたくなくなっていたんですよね。
でも、それを続けて乗り越えたとき、理想と現実のラインが一致し始めたときにやっと「あぁ、やっぱり楽しいな!」と思えるんだと思います。好きなことであれば、尚更ではないでしょうか。
この言葉は、私にもとても響く言葉でした。
夢への最短距離
夢を叶えるための最短ルートを進めない期間って、無駄な人生を過ごしているような気になってしまうことがありますよね。
ストーリーのある作品を手掛けたいから、車しか出来ない今の会社を辞めて、最短ルートを進みたい。みーちゃんの気持ちはとてもよくわかります。
しかし、やっていることは同じCGではあるわけですよね。勤め始めて一年もたっておらず、業界では評判もいい会社。スキルアップするためには、上で述べた、辛いことを乗り越えて楽しさを感じるためにも、歯を食いしばってやり続けるべきだったのではないかなぁ、と思います。
結果として、みーちゃんは退職する決意をしました。この選択を正解にしていけるよう、新しい場所で頑張っていって欲しいです!
みゃーもり家で、5人で鍋を囲んでいるシーン。
みーちゃんの悩みを聞いて、ずかちゃんが「私なら続ける」と言いました。
「私も先なんて見えないけど、頑張って声優続けようと思っている。」
ずかちゃんは声優業界にいるからやりたいことやれてんじゃん!なんて感想を目にしましたが、それ本気で言ってんのか?と思いましたね。
なぜなら、ずかちゃんの週の大半は居酒屋のアルバイトだと思われるからです。声優プロダクションでレッスンを積み、その費用でバイトを稼ぐ。そして、時たまあるオーディションを受けたり、運が良ければ事務所を通して仕事がきたり。定期的に自分が声優だと感じられる場所は、先輩に誘われた舞台くらいなのではないでしょうか。
みーちゃん:車の仕事 → ストーリーのある仕事がしたい
ずかちゃん:舞台の仕事 → アニメの声優がやりたい
(バイトがメイン?)
二人とも現在の状況はそう変わりません。
新天地を求めたみーちゃんと、現在地でもがく、ずかちゃん。
どちらも同じような苦しみを乗り越えようとしています。是非とも打開し、素晴らしい声優とCGクリエイターへの道のりにたどり着いてほしい!
夢へと向かうことを決めたみーちゃんと本田さん
「たどり着きたい場所がハッキリすると、やるべきことがみえてくるんだよなぁ」
本田さんとみゃーもりの会話の中で、絵コンテが進み始めた監督を評した本田さんの言葉です。この出来事が本田さんを夢へと歩ませたんでしょう。
ケーキ屋さんになる夢を叶えたいけど、現在の職を手放すことになる。本田さんはそんな葛藤にずっと揺れていたんでしょうね。ケーキ屋としてやっていくと決めた本田さんの顔は、晴れ晴れとしていました。
万策尽きたぁ~!が聞けなくなるのは寂しいですが、たまに差し入れでケーキを持って来てもらって、元気な姿を見せて欲しいですね!ハートのエプロン姿の!笑
みーちゃんも退職してストーリーのある作品を創っていくことを決めました。
これから先どうするかは決まっていないようですが、またゴールをしっかりと設定し直して道のりを立て、夢を叶えるために歩いて行って欲しいです。
辿り着きたい場所がハッキリするとやるべきことが見えてくる。
ケーキ屋とストーリーのある作品という場所を見つけた二人が最初にやるべきことが退職することである、というのが「覚悟」の必要性を教えてくれますね。
何かを選ぶということは、やはり同時に何かを捨てる覚悟が必要だということです。本田さんとみーちゃんには、夢を追うことの厳しさを改めて教えられた気がします。
さぁ!1クール目もそろそろ折り返しです。最終話に向けてまたひと波乱ありそうですね。一難去って、また一難?
頑張れむさアニ!頑張れみゃーもり!!!